“Ｔ” Ｒｏｏｍ

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きっかけはよく覚えていない

大好きなアーティストのコンサートで
ツアースタッフから打ち上げへの参加を誘われた

もちろん大喜びで私はその場所に向かった
案内されたのは大きな居酒屋の2階奥の小部屋だった

そこに彼女は座っていた



そう、こんな感じのお洒落な小部屋
彼女は右奥の席に普段着で座っていた

私が案内されたのは彼女と真向いの席

心臓が爆発しそうなくらい緊張している私に
彼女は旧友にでも話しかけるように色々お喋りしてくれた

今日のコンサートのこと、
普段の生活の出来事や今夢中になってること・・・

コンサート会場の舞台に立つ彼女しか知らない私は
どんどんその話にのめりこんでいった

彼女の話す一言ひとことを胸に刻み
絶対にこの瞬間を忘れまいと私は努力した

彼女の表情や仕草を
目に頭に焼きつけようと必死だった

そして・・・

ずいぶんと長い間、2人でいろんな話をした

その間、彼女はずっとずっと輝いていた

いつしか私の心は緊張から解き放たれ
穏やかにその幸せな時間を楽しんでいた

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と、ここで目が覚めた

夢だった・・・

でも心はとっても澄み渡っていた
夢で残念という気持ちは全くなかった

まるで大きな花びらがゆっくり開いていくかのように
暖かでふんわりとした幸せな気持ちに包まれた目覚めだった

今日は何かいいことがあるかも・・・

夢に出てくれてありがとね